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【簿記3級】注意:決算関連(第3問)
簿記3級第3問の出題範囲・形式となっている決算関連を解くにあたって注意すべき点をまとめています。精算表もしくは損益計算書と貸借対照表を作成する問題が出題されます。
出題内容
主に、未処理事項の処理、減価償却、貸倒引当金、費用と収益における前受け・前払い・未収・未払い、売上原価の算定、です。未処理事項の処理は誤処理の訂正と現金過不足が多いようです。
注意点①:売掛金
売掛金については、決算整理事項として受取手形とともに貸倒引当金の問題として「売掛金に対して〇%の貸倒引当金を設定する(差額補充法)」という形式で出題されることが多いです。ここで注意しなければならないのは、未処理事項の処理に売掛金が絡んでくる場合です。
通常は、決算整理前残高試算表などに売掛金の残高が表示されており、この金額に基づいて貸倒引当金を設定します。しかし、例えば未処理事項で「売掛金を回収したが、この取引が未処理である」といった問題があった場合、売掛金の金額が変動します。未処理事項を処理して反映した金額に対して貸倒引当金を設定しなければならないという点に注意が必要です。
注意点②:備品などの固定資産
固定資産は減価償却費の問題として出題されますが、こちらも未処理事項として、「〇月〇日に備品を購入したが、この取引が未処理である」といった形式の問題が出題されることがあります。この場合の注意点が2つあります。
1つ目は、金額が変わるので、未処理事項を処理して反映した金額に対して減価償却費を計算しなければならないという点です。2つ目は、この手の問題は期中取得になっているケースが多く、その場合は月割計算が必要になります。
また、未処理事項に固定資産は出てこなくても、決算整理事項として「備品のうち¥〇〇は今期の〇月〇日に取得したものであり、減価償却費は月割で適切に処理する」といった問題が出題されることがあります。
注意点③:費用と収益における前受け・前払い・未収・未払い
家賃、保険料、利息などによくある費用と収益における前受け・前払い・未収・未払いの問題です。これらは経過勘定といいます。苦手とする方が多い分野ですが、これにはいくつかのタイプがあります。よくあるのは以下の3タイプです。
タイプ①
「未払利息が〇円ある」といった形式で、問題文に具体的な金額が与えられているタイプです。これはそのまま「(支払利息)〇〇/(未払利息)〇〇」と仕訳するだけなので、一番簡単なタイプです。
類似の問題として、「3月分の家賃が未払である」(決算日3月31日)といった形式があります。この場合は精算表などに表示されている金額が11ヵ月分なので、11で割って1ヵ月分の金額を算出してその金額を「(支払家賃)〇〇/(未払家賃)〇〇」とするだけです。
タイプ②
「8月1日に保険料を向こう1年分支払っている」(決算日3月31日)といった形式があります。この場合は当期分と次期分がそれぞれ何ヵ月なのかを計算するだけです。
上記の例であれば、8月~3月までの8ヵ月分が当期、4月~7月までの4ヵ月分が次期となるので、表示されている保険料の額を12で割って1ヵ月分の保険料を算出し、「(前払保険料)4ヵ月分/(保険料)4ヵ月分」とするだけです。
タイプ③
「保険料は毎年8月1日に1年分支払っている」(決算日3月31日)といった形式で、毎年〇〇しているというタイプの問題です。このタイプの問題は前期から繰り越した分が含まれているので、単純に12ヵ月で割ればいいというわけではありません。
前期に費用の繰延べを行なった場合、今期首に再振替仕訳を行なうため、上記の例であれば、4月~7月までの4ヵ月分の保険料が今期分として計上されています。これに加えて今期8月に支払った12ヵ月分があるので、表示されている金額は16ヵ月分ということになります。16で割って1ヵ月分の保険料を算出すれば、あとはタイプ②と同じように処理するだけです。
例)当期決算整理前の残高(問題文)の保険料が¥16,000だった場合、前期分の処理から仕訳をしていくと、この¥16,000が16ヵ月分であることがわかります。
前期8月1日 | (支払保険料) | 12ヵ月分 | / | (現金など) | 12ヵ月分 |
前期末(決算整理仕訳) | (前払保険料) | 4ヵ月分 | / | (支払保険料) | 4ヵ月分 |
当期首(再振替仕訳) | (支払保険料) | 4ヵ月分 | / | (前払保険料) | 4ヵ月分 |
当期8月1日 | (支払保険料) | 12ヵ月分 | / | (現金など) | 12ヵ月分 |
当期決算整理前の残高 | (支払保険料) | 16ヵ月分 | – | – | – |
経過勘定については以下の記事も参考にしてみて下さい。