せどりと古物商許可

 せどりや転売といったビジネスには必ず関係してくる古物営業法(及びこれに規定される古物商許可証)に関する記事です。古物商とは?といった基本的な内容は既に詳細を解説しているサイトがたくさんあるので省略するものとし、個人的にこのようなケースは古物商許可が必要になるの?といった内容について調べた備忘録です。

 古物営業法というのはなかなか判断が難しいケースも多いです。警察署や古物商許可専門の行政書士に聞いたりしながらまとめた内容ですが、最終的には申請する警察署で相談して下さい。本記事の内容によって、いかなる不利益や損失を被ることがあっても、その不利益や損失の賠償や責任は負いません。

 ※古物営業法は2020年4月1日に全面改正されました。改正前に収集した情報も多いのでご注意下さい。

目次

事業者かどうかの判断

 古物商とは、「古物を業として売買または交換する業者・個人」のことをいいますが、「業として」というのは要は営利目的で仕事として行なっていることを指すので、自身の不用品を売る分には古物商許可は必要ありません。しかし、古物営業法には「事業者の定義」といった定めがありませんので、自分では不用品を売っているだけなのに営利目的と疑われないだろうか、という不安があります。

 この件に関しては、特定商取引に関する法律(特定商取引法)に「インターネット・オークションにおける「販売業者」に係るガイドライン」というものがあります。

すべてのカテゴリー・商品について

  1. 過去1ヶ月に200点以上又は一時点において100点以上の商品を新規出品している場合
  2. 落札額の合計が過去1ヶ月に100万円以上である場合
  3. 落札額の合計が過去1年間に1,000万円以上である場合

 1については「レーディングカード、フィギュア、中古音楽CD、アイドル写真等、趣味の収集物を処分・交換する目的で出品する場合は、この限りではない。」という但し書きがあります。コレクションというのはどうしても数が増えるものですからね。

 2については「自動車、絵画、骨董品、ピアノ等の高額商品であって1点で100万円を超えるものについては、同時に出品している他の物品の種類や数等の出品態様等を併せて総合的に判断される。」という但し書きがあります。常識的に考えて、同じピアノを何台も同時に出品していたら、不用品ですという言い訳は通らないでしょう。

特定のカテゴリー・商品について

 こちらは「消費者トラブルが多い商品を中心に、通常、販売業者に当たると考えられる場合」と記載されており、カメラ、パソコン、テレビといった家電製品や、自動車・二輪車の部品、メディア系(CD、DVD、PCソフト)、いわゆるブランド品、インクカートリッジ、健康食品、チケット等、という区分があり、それぞれ目安の点数などが記載されています。

あくまでも参考程度

 古物営業法には明確な基準はなく、特定商取引法でも最終的には諸々の事情を合わせて総合的に判断されるので、このガイドラインはあくまでも「参考になる」という認識で、ビジネスとして行なうつもりでいるなら当然古物商の許可を取るべきですし、自分では不用品を売っているだけでもこのガイドラインを参考にするとちょっと微妙だなと思ったらやはり許可を取るべきだと思います。

新品を扱う場合

 基本的に新品を扱う場合は古物商許可は不要です。但し、世間一般でいうところの新品と古物営業法上の新品には差異があるので注意が必要です。

  • 例1)家電量販店で新品のPS4を購入してヤフオクで販売する⇒新品のため、古物商許可は不要
  • 例2)例1のPS4を落札してAmazonで転売する⇒中古扱いになり、古物商許可が必要

 世間一般でいうところではどちらも新品と判断されるものですが、古物営業法上、例1は新品、例2は古物(中古品)とみなされます。簡単に言えば、一度でも消費者の手に渡っていれば未開封・未使用でも古物(中古品)とみなされる、と思って頂ければ問題ないと思います。

 上記の例は相手が小売店なのか個人なのかというケースですが、小売店でも古物(中古品)とみなされるケースがあります。

  • 例3)家電量販店で新品のPS4を購入してリサイクルショップで売却する⇒新品のため、古物商許可は不要
  • 例4)例3のPS4を購入してAmazonで転売する⇒中古扱いになり、古物商許可が必要

 いずれも家電量販店とリサイクルショップという小売店を利用しているものではありますが、家電量販店はメーカーや問屋から仕入れて販売している小売店のため物品は新品ですが、リサイクルショップは一般消費者が購入したもの(この時点で古物)を古物営業法に基づいて買い取って販売しているため、それが未開封・未使用でも古物(中古品)とみなされる、ということです。

 未開封・未使用でも古物営業法上は古物(中古品)に該当する物品があるため、自分では新品しか扱っていないつもりでも、実は古物商許可が必要だった、というケースがあります。ヤフオクやメルカリなどを使って新品を仕入れて転売している人は要注意です。

本人確認方法と匿名配送

 ヤフオクやメルカリなどでは個人情報が開示されない匿名配送というサービスがあります。古物商として営業していると、本人確認が必要になるケースが度々出てきますが、匿名配送の場合はどうやって確認すればいいのでしょうか。事実上、匿名配送の取引は古物商としては為す術はありません。

 メルカリなどの非対面取引における本人確認の方法は「非対面取引における本人確認方法」として定めがありますが、個人情報の開示を求められては匿名配送の意味がなくなってしまうため、相手が応じてくれるケースは稀であると思われます。古物商としてビジネスをしていく上では匿名配送は利用できないものとして諦めましょう。

 ちなみに、「買い取り金額の総額が1万円未満の場合は本人確認が不要なので匿名取引も可能である」というのも、成立しません。詳細は「本人確認と年齢確認」を参照して下さい。

本人確認と年齢確認

 古物商として営業していると本人確認が必要になるケースが度々出てきますが、本人確認が不要な(免除になる)ケースがあります。それは「買い取り金額の総額が1万円未満」の場合。

 但し、ここでいう1万円はその取引における「総額」であって古物1個に対する金額ではないという点に注意。さらに、本、CD、DVD、ゲームソフトなど、「金額を問わず本人確認が必要になる品目がある」のでこれも要注意です。

 ここで浮上するのが「買い取り金額の総額が1万円未満なら匿名取引も可能である」という解釈。確かにこれは特定の品目を除けば成立するように思えますが、「18歳未満の者から古物を買い受ける場合は、金額にかかわらず、保護者の同伴か同意確認が必要」という定めがあり、多少内容に違いはあれど各都道府県の青少年保護育成条例にも同様の定めがあります。

 ちなみに、本人確認や年齢確認は古物商自身が行なわなければならないため、「フリマアプリの運営会社が本人確認・年齢確認をしているから大丈夫」は通用しません。

 したがって、本人確認が不要なケースでも年齢確認は必要になるため、個人情報が開示されない匿名配送は事実上使用できないということになります。

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